チェコ版の不思議の国のアリス。
シュールかつ不思議な展開でアート系の趣きのある作品だがちゃんと起承転結もありとても面白かった。
美しい13歳の少女の危なっかしい感じや周りの大人たち主に教会関係者達の胡散臭さがジワジワくる。
白塗りの演者が多く何だろうと思ったがバンパイヤなのか?しかしコウモリではなくイタチの謎。
これは劇中のヴァレリアのように流れに身を任せれば良いのか。
祖母と母と確執や近親愛。チェコの人は頬にキスじゃなくて口付けをするのか?
チェコの映画はヤンシュヴァンクマイエルくらいしか知らないので色々と新鮮だった。
美しい風景に退廃的な地下室。ヴァレリアの白い部屋に隙のある白く可愛らしいワンピース。セットデザインや衣装デザインは派手さはないが素晴らしい。
今では製作不可能な少女のヌードや胸が揉まれたりタブーな描写が多いのも本作の魅力。
この1970年代は各国でアンチクライストな作風が多いのは偶然か。
キリスト教神父のセクハラやパワハラのメタファーでもあるのだろうか。
それにしてもクリクリした目のヴァレリアを始め花売りの少女達は皆可愛らしく美しい。これが東欧系の美人か。
火あぶりになった時は小さな悪の華を彷彿とさせてヒヤヒヤした。
アレも同じ年の作品なのも興味深い。
最後も幻想的な締め方で不思議と納得した。
処女の淫夢を幻想的にエンタメにすると美しい。