安堵霊タラコフスキー

フレンチ・コネクションの安堵霊タラコフスキーのレビュー・感想・評価

フレンチ・コネクション(1971年製作の映画)
4.8
大抵の人がそうだろうけど、やはりフリードキンの映画で自分が一番好きなのはこれ。

余計な説明を極力省き捜査等のシーンをドキュメンタリー的に描写しているから全編に緊迫感と臨場感が加えられており、終始画面に見入る出来となっている。

地下鉄での追跡やカーチェイス等名シーンも豊富で、何度見ても飽きないスリリングな力が随所に備わっているのも素晴らしい。

ジーン・ハックマンが主演で彼が刑事と犯罪者という違いはあるもののどちらも腕利きであること、ドキュメンタリー的な映像表現、後味がそんな良くないラストと数年後に撮られるカンバセーションと共通点が感じられるが、コッポラがこの作品を意識して撮った可能性は非常に高い。(実際この作品にもハックマンの盗聴シーンが中盤で見られるし)

説明が少ない故に物語としては判然としない箇所も多いかもしれないけど(実際昔は自分も多少そう思わないでもなかった)、犯罪や捜査の表現が非常に優れているから見応えしかない作品となっていて自分としても好みと言わざるを得ないし、この作品ほど成功していたかはさておき(マイケル・マンとかトニー・ギルロイとか)後のドキュメンタリー的描写主体の映画に多大な影響を齎したと思しき点でも偉大な作品だろう。