トミー・リー・ウォーレス監督作。
ハロウィン用のマスクを巡る玩具メーカーの陰謀を描いたホラー。
鬼才:ジョン・カーペンターが創始した「ハロウィン」シリーズの第3弾ですが、前2作とはストーリー上の繋がりがない番外編的位置づけの珍品となっています。
「ハロウィン」と言えば殺人鬼マイケル・マイヤーズが登場する人気ホラーシリーズですが、本作については殺人鬼の出番はありません。とあるおもちゃメーカーが、工場で生産した呪いのハロウィンマスクを使って、全米の子どもたちを皆殺しにしようとする中、女たらしのスケベ医師がそれを阻止しようと奮闘するトンデモ映画です。
お話が本来の「ハロウィン」とは全くの別物なので果たして正シリーズに組み入れてよいものなのか疑問ですが、制作サイドはあくまでシリーズの第3弾として本作を作っています。“殺人鬼がリア充の若者を惨殺する”というワンパターンからの脱却を図ろうという制作陣の気概は伝わりますが、残念ながら支離滅裂で突っ込み所満載の作劇となっています。
次作からは結局元の路線に戻ることになる、“まるで無かったことにされた”不憫なシリーズ第3弾で、見境なく女に手を出す主人公の絶倫脳が物語以上に気になって仕方のない一篇です。