mitakosama

クロがいた夏のmitakosamaのレビュー・感想・評価

クロがいた夏(1990年製作の映画)
3.4
はだしのゲンの中沢啓治原作だが、例によって絵柄は全然違う。しかも主役は女の子に変更だ。

でも今作は主人公を女の子にしたのは正解かも。子猫のクロを愛でるのが女の子になり母性的な慈愛ある優しさが加味されてる。

ゲンよりかは、もう少し子供に見やすいようにマイルドにしたかったかも知れない。

原爆のシーンもゲンの様に過剰な悲劇性を表すグロいアニメーションでは無く、会えて止め絵のハーモニー処理を中心にしてる。

更に弟がやたらと時代劇口調でキャラを作ってる。ギャグもだいぶ子供を意識してるね。オナラしてズッコケるなんて、90年代じゃ崩壊したノリだろうに(笑)
クロがアクション起こす時にたまにタラちゃんの様なピョコンって効果音が起きるのも低年齢を意識したと思われるね。

一方で、主人公が脚繁く通うのが時計屋で、掛け時計がチクタクなる中、カレンダーを店主がめくる演出の巧みさに唸る。
原爆投下の8/6のタイムリミットを刻む様に秒針がなる描写は流石だ。
mitakosama

mitakosama