舞台は普仏戦争だが、当時の戦時下ナチスに見立てて作られた作品。
いつの時代も、支配する者とされる者の構図は変わらない。

「ナチス」は邦題詐欺。
WW1よりも前、普仏戦争（1870年7月-1871年1月）が舞台。
モーパッサンの短編の映画化で、フランス視点でいやなプロイセン（ドイツ）の軍人が出てきて、1944年公開なので、ごく自然な反ファシストプロパガンダになっているという案配。
プロシアに占領されて以降、教会の鐘を鳴らさない牧師がいる。この設定がめちゃくちゃうまい。
ラストで鐘が鳴ったね？　つまりどういうことかわかるねという終わり方が鮮やか。
つっても、序盤から中盤はけっこう退屈。あらすじは英語版Wikipediaに詳しい。
敵の中尉がフォークで死ぬのがびっくりした。

舞台は1870年。ナチス云々以前の話なのにこの邦題。
まあ、将校に対し毅然たる態度を失わないシモーヌ･シモンをみられただけでも拾い物。プロデューサーにヴァル･リュートン