ここにきて再鑑賞。
ずっと前に観て印象に残っている作品。
ニコラス・ケイジ演じるセイラーとローラ・ダーン演じるルーラの愛の逃避行。
もう出てくる人物がとんでもない。さすがデヴィッド・リンチ、一筋縄ではいかないなという感じ。
『ツインピークス』が大好きなので、やはり、その辺りの作風や雰囲気は一貫している。ツインピークスでの中心人物がチョイ役で登場したりするのもあって楽しめた。
どの監督も、自分の作る世界観に合った役者を持っているものだ。ウェス・アンダーソンしかり、ポール・トーマス・アンダーソンしかり、キム・ギドクしかり…。
ローラ・ダーンはなんとなく堅いイメージがあるから、こういういわゆるぶっ飛んだ女の子を演じるのはどうだろう…と思っていた。
しかし、例えば『ナチュラル・ボーン・キラーズ』でジュリエット・ルイスが演じたマロリーみたいな狂気を秘めた女の子ではなく、暴力とは無縁のただただ馬鹿みたいに純粋にセイラーを愛する女の子という設定が良かったのかハマっていたと思う。
暴力描写はなかなかグロいし、奇妙な演出も多かった。ルーラが回想するジングル“デル”のエピソードなんかは悪趣味の極みだった。
イザベラ・ロッセリーニもよくあんな役を引き受けたなと思ったけれど、ああいう役があってこそ彼女の本来の美しさが際立つのだ!
なんだかんだでお互いを一途に愛するセイラーとルーラはとても可愛らしく映ったし、奇妙でこってりとした、見方を変えればダサい演出を存分に楽しめました。