あぐり

バットマンのあぐりのレビュー・感想・評価

バットマン(1989年製作の映画)
3.8
レンタルで。

自分から見ようと思うのは初のヒーローもの。初代のスパイダーマンとアイアンマンをテレビで観たかなあというぐらい、ヒーローに詳しくもないし興味もない感じ。(DCとマーベルは別物なのね)
でも世間ではヒーロー映画かなり人気で、シリーズ全部追ってるみたいな人もいるし、いつか観れたらなあと思ってたら、自分の好きなダークな世界観のヒーローで、その上ティム・バートンということで、絶対観ようと思いレンタル。ティム・バートンが…!?感がある。アダムスファミリーにめちゃくちゃ影響されてるんだなあと勝手に思ってたけど、これはアダムスファミリーより前なんだ。このへんの年代はとても自分好みの作品が豊作で良い!

いつかジョーカーも観ようと思ってたけど、自分の気持ち的に一回バットマン観ておきたいなというのもありました。続編もあるから、順番どうしようなあと思いつつ、とりあえず心置きなくジョーカーが観れる。

まあ原作があるんでしょうがないけど、バットマンの見た目がダサいという…笑 元がアメコミで子供向けだろうしこんなものか。世界観が結構ティム・バートンだあ〜と思ったので、なんか浮いて感じるぐらいだった。ジョーカーは異質な存在なので、あの世界と合ってなくていいからな。というか、ダークな主人公にサイケな敵というのはティム・バートンやりがちだと学びましたので、ジョーカーがあの造形の敵っていうのはわかりみしかないという。もう作ったことありそうだもんな。ビートルジュースもあんなんだし…笑

なんか主人公が驚くほどおとなしいというか、ぼんやりした人だなあと。まあミステリアスには見えた。何考えてるのかこっちにはあんまりわからなくて、ジョーカーのほうが私達知ってるのではないかって思った。ジャックが地に足をつけて見えるんだよな、なぜか。ウェインはふわふわした感じ。あえてそうしてるのかな。情熱的にヴィッキーを愛してる感じでもないし、復讐にめちゃくちゃ燃えてるぜって感じもしないし、バリバリ仕事してるぜってわけでもないが、淡々とジョーカーがやることを抑えていく感じだったな。ヒーローとしては無口でクールか。それがかっこいいのかも?

ゴッサムシティの、ずっと曇りでタバコの煙でぼやけてるような、そんな雰囲気がとても好き。やっぱティム・バートンだなあ〜〜〜街行く人もみんなモノトーンの感じ。レトロというかクラシックなんだよね。新聞社の感じも好きだ…あとヴィッキーのベッドが白いレースのクッションとテディベアでまたかわいいんだ…
そういえばヴィッキーは最後も白いワンピース着てて、またそんなウェディングドレスみたいな…と思ったけど、思えばヴィッキーはずっと白かったような気がするな…ていうかティム・バートンまた趣味の結婚式やろうとしてて草。

結婚式のダンスシーンとして手下と戦うバットマン、意外と弱くておもろい。ジョーカーはすぐボコってたけど。手こずってるな〜と思った。でも金と最新機器とワイヤーアクション以外は自分の筋肉しかないから…人間っぽいよね。戦闘機みたいなの墜落したときも、ワイヤーで脱出してんのかなと思ったら普通に軽傷で出てきたのも面白い。間抜けというわけじゃないけど、そこは普通なんかいってのが笑っちゃう。親しみがあるダークヒーローだな。

まあ時代もあるんだけどアクションシーンがストップモーションのような…昔の仮面ライダーみたいな?そういう当時のアクションシーンだな感がある。今ならティム・バートンであっても派手なアクションシーンができてるのかな?CGも使えるからね。

ストーリーとしては結構展開が早かったかなあ〜と思った。特に自分がバットマンであると明かすシーン。言わなきゃだめだよね〜とまでは思ったけど、突然アルフレッドがヴィッキーを連れてくるっていうのはどういうこと????ってなった。アルフレッドが勝手に連れてきたのか、ウェインが呼んだのか、ヴィッキーが押しかけたのかわかんなくて、言おうとはしてたけどエッ???みたいな。
そもそも一回寝ただけで思いが通じ合ったとお互い言い切れるのすごいね。ウェインがひと目で気に入ったんだな〜ってのはわかったけど。

ジョーカーの化学と美術が得意というのが趣味悪い過剰な演出がティム・バートンと合わさって、ティム・バートンのジョーカーが出来上がってるなあと思った。なんなんだあの緑の薬品とかガスは…でもあれがティム・バートンって感じ。パレードはディズニーランド!?って感じで面白かったな。教会の鐘を高所から落として鳴らす感じとか、やっぱティム・バートンのセンスが刺さってしょうがない。ストーリーはいつもガツンと来ないけど、あ〜もうこの世界観である程度面白ければいいでーす!ってなっちゃう。

シャイニングを前に観てたので、ああもうジャック・ニコルソンしかいねえよってすぐ納得した。でもジョーカーが評判いいのはきっとジョーカー役の役者さんの力だと思うので楽しみですね。最後4んでる感じしなくて、出血なく地面にめりこんでる感じ、ギャグっぽさ?かなんかわかんないけどシャイニングみがあるな…

ダークヒーローの敵が顔は白くていつも笑顔っていうのがいいのよね。これは原作がいいセンスなんだろうけど。悪そうな方が正義あって、正しそうな方が歪んだ正義感持ってるのとか好き。だからバットマンはヒーローでも特別自分に刺さる作品だと思った!もうちょっとね〜〜ウェインのことが知りたいかなとも感じたけど。これでジョーカーはさらに一本作られてるんだからほんとすごいよ。もう謎の人間味を感じてたのに。ダークナイトとジョーカーはたぶんティム・バートンのバットマンよりかなり大人な雰囲気になってそうなので、ティムポップなヒーローものとして雰囲気を味わえてよかった。もう唯一無二になってるんじゃないか?他にもティム・バートンがヒーローもの作ってたらごめんだけど。ハロウィンに見るにも良さそうなヒーローものって珍しそう。

これはこれとして、ポップな感じで受け取って、また今度続編か、ジョーカーか、大人っぽそうなダークナイトのどれかチャレンジしてみようと思います。もしかしたら、マーベルとか他のヒーローものも好きになるかもしれないし、私みたいな人間のアメコミ・ヒーロー入り口としてティム・バートンのバットマンはいいと思います。






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