あぐり

セブンのあぐりのネタバレレビュー・内容・結末

セブン(1995年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

アマプラで。

バタフライエフェクトで確か主人公たちが子供のときに映画館で見ていた?とかで知ってて、ああこれも見てみたいなと思ってた作品。この作品とどう関係あるのかはもう一回バタフライエフェクトを観ないとわからなさそう。

こういうサスペンス作品はやっぱり好きだな〜と思う。ミステリーでも見立て系?なぞる系は王道だけど連続さつ人の芸術性を感じてとても好きなんですよ。特にサスペンスは犯人の持つ自分にない行き過ぎた美学、歪んだ正義感には興味がある。ただ拳銃で撃って終わりじゃなく、命を奪う方法に執着してできた趣味の悪いものは特別好きです。なのでSAWはとても好き。

セブンは正直…犯人の持つ正義感、美学に「うんうんそうだねこんな世の中じゃね」と思えないというか…まあなんで犯人がこんなことしたかというのが明確ではない終わり方なので、当たり前なんだけど。終盤は結構長く語ってくれるんだけど、何も伝わってきてなかった。自分の七つの大罪の知識不足はあるかも。オタクだから七つの大罪はスラスラ言えるけど、宗教にうとすぎる一般日本人のため、それが何かはわかっていないんだね。
あれだけ喋ってくれてもメッセージが私にまで届いておらず、「でもあなたのやったことはただの人564です」というサスペンスとミステリーのオチにありがちなことを思ってしまった。だから100%楽しめてないのが悔しいね。やっぱり向こうとは文化が違うよ文化が。

でも世の中の暗さというのはよく伝わってきてて、他人に無関心すぎることはこの日本でもそうだし共感できる。特に「襲われたときに助けて!ではなく火事だ!と叫んだほうがいい」というセリフ一つだけでこの世界の恐ろしさを理解した。
最近どれだけの人が痴漢ですと言われたときに勇気を出して捕まえられるか、という投稿を見てたから、2023年にも当てはまる。痴漢とか犯罪じゃなくても、誰か人が倒れたときにどれだけの人が動けるか?とか…
もちろん自分ができる人間でないと他人に偉そうなことは言えませんので、説教するつもりはないけども。

長々書いたけど、この暗い世の中で、朝から晩まで罪を重ねる人間たちに、こんな事件を起こしたところで伝わってるのかなと思うし、そもそもつながってるのか?とも思う。これで刑事が犯人を56したと新聞に載って、「えーこわーい」で終わりじゃないの?って。確か二ヶ月とかしたら忘れるみたいな話も実際作中にあったと思う。これで何が残ったのだろうな。少なくともサマセットは少し生き方を変えてみるようだけど。あれだけ彼のやりたいことをやりきって、こんなにあの世の中に伝わらなさそうなことある?って思っちゃうんだよな…私がわかってないだけで、本当はちゃんと犯人の意図は伝わる感じなんですか???

とりあえず警察の情報売るやつはちゃんと処罰されてもろて。プライバシーが終わってる。

話題のラストは、不思議なことに序盤に見せられた生首を持った何かの絵が意外と効いてたみたいで、箱の中身はなんだろなを当ててしまえた。箱の大きさでもう瞬間に理解したけど、正直胎児をもっと使った方法を取ると思ってたので、意外と普通だなと感じた。でも最初の生首持った絵について知ると、ウワ〜〜〜ってなれると思うんですよ。でもあれが何の絵かわからないんですよ!!!もしこの前見たスリーピーホロウの首なし騎士なら我ながら見る順番がすごい。あと生首と言えばサロメかな。そんな生首案件いくつもあってたまるかい。

あそこでミルズはちゃんと箱の中身を見るべきじゃない?と思ったけど、見ても普通に撃っただろうし、サマセットは爆弾処理班待つべきじゃない?と思ったけど、それで拳銃を持つミルズを取り押さえられるかは賭けだし…もうあそこになるとどうしようもなかったかなって。どうしたってすでにトレイシーはなくなってるし。
赤ちゃんのことは、トレイシーが話す隙はもうなさそうだったけど、きっと生みたいと伝えたかったんじゃないかな。でも言ってたところで、まさか犯人が自分に嫉妬するなんて思わないし、お腹に赤ちゃんいなくても56したかなあって思うし、結局同じ結末になってたのかなって。ただ葛藤してそうでもあったから、もしかしたら赤ちゃんのことは引き金だったのかな。
しかしサマセットの子供がもし堕ろされていたなら、ふたりとも小さな命を残酷すぎる世の中のせいで終わらせちゃったってこと?だったら救いないな〜とも思うが、サマセットは説得しただけで、サマセットが独身ということを考えると、パートナーはせめてこんな事件だらけの都会を離れて生みましたという可能性もあるのよね。

結末について、私がもはや逆張り中二病みたいな人間になっちゃって、バッドエンドではあるけど胸糞というほどでもないのかな〜と。それならまだミストとかダンサー・イン・ザ・ダークのがそれっぽいなと思いつつ、この2つもそんな胸糞と思ってないんだけどね。でも言われるのはわかるって感じ。バッドエンドジャンキーになっちまうよ…犯人4んでさらにミルズとサマセットで大きく揉めたりするなら胸糞だったかも?あの二人は信頼しあってたから、それがなくなるのはより悲しいじゃん。

暴食の人って確かに家から出られないし、出られたとして笑われるだろうけど全部自業自得だなって思うからそれってどういう罪?って個人的に思った。家族がひたすらご飯を作らされるとかお金をひたすら使われるとかなら他人に迷惑かけてるけど、そうは言ってなかったから引っかかった。あとはさすがに迷惑かけてそうだったかな。でも他人に迷惑かけてないならいいんじゃない?っていうこの気持が無関心なんだろうな。でも断罪してあげるのが優しさなん?ちょっと疑問だな。

自分そんなに96耐性ないと思ってたけど、今まで映画なんとかみれてるので、セブンもなんかいけました。スリーピーホロウのせいで大量の生首を見るというショックを受けていたので、トレイシーの生首もきっと見せられると思いました。あれは生きてるかもよって意味であえて映してないの?でもあの犯人だから嘘じゃないと思うな。全然ミルズが箱の中を見る可能性もあったわけだから。見たらすぐ嘘ってバレるようなことしないと思う。

ミルズの短絡的で感情的なところが若い刑事っぽいなと思うけど、さすがに感情的すぎて利用されちゃったね。ただのイカれた連中が犯罪をしてるんだと思いたい気持ちはどこから来てるのかな?それだけ向こうではお薬によって起きる事件が多いのかもしれないけど。
自分はこの世に根っこからイカれた人間というのはそれほどいないと思ってて精神的な病気であったり、暗い過去を持ってたり、愛されなかったり、が原因だと思う。だからお薬に逃げる。なので「犯人は悪魔ではなく人間だ」と言ったサマセットの言葉は納得した。もしかしたら受け取り方違うかもだけど。56したら罪に問われるのはお前だよという意味でも今となっては思えるしな。

そう言えば、終盤に車で犯人とミルズとサマセットで会話するシーンあるけど、ミルズは犯人から見たら逮捕された側にいるんだよね。網がかかってるから。これ気づいてびっくりした、だってサマセットはいつも犯人側からの視点じゃなく、会話中ミルズ側の視点で網がかかってるところがない。動物園で檻の中にいる動物から見たら人間が檻の中にいるように見える現象。犯人はこうやって逮捕されるだろうなと思いながら見てたのかな…

オープニングにかっこいい映像が流れるのと、あと手元の作業にカメラを向けることが多かったような気がするな。最初のは犯人がスクラップブックとか作ってたのかな。犯人が器用ってことかなとも思うし、サマセットもかなり丁寧な暮らしをしてそうだなと思った。
というか、サマセットの身の回りにあるものがアンティークっぽくてかっこいい。あれは大ベテランで少し前の時代で止まってるいわゆるおじいちゃん的な表現かもしれないけど普通におしゃれすぎる。

とまあここまで感想を書けたっていうので、ちゃんと犯人の思惑なんだろうか?でも認められなくね?ってシンプルに思っちゃう。まだ犯人の目的は理解できないな。
でも七つの大罪をなぞるサスペンスというセンスがとっても大好きだし、趣味悪い4に方にこだわってくれたのがとてもいい作品だと思います。でも個人的にはSAWのほうがいいな…こっちのがおしゃれ感はあるだけにもうちょっと世の中クソだし粛清するのわかるわ!と思わせてほしかった。SAWは地下が汚すぎて(…)おしゃれさないので、セブンのが好きになれそうだったな〜〜〜雰囲気的に!
もうちょっと考察サイトとか見て、また見てみるのもありかなと思います。






犯人が逃走するスリリングなアクションシーンでサマセットが全然追いつけなくて、おじい頑張れ!!と応援した
あぐり

あぐり