のぼせギュウマン

バットマンののぼせギュウマンのネタバレレビュー・内容・結末

バットマン(1989年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

本作は、バットマンよりも、ジョーカーやゴッサムシティの市民たちにスポットが当てられる。マフィア同士のイザコザから始まり、やがて、街の平和を脅かす恐怖へと発展していく。市民たちがパニックに陥り、大騒ぎになるその時、我らのヒーロー「バットマン」が現れる。この内容は、まるで、ゴッサムシティのあれこれを回るアトラクション。ジョーカー一味も、残酷なことをしている割には、どこかユーモアがあって、可笑しい。電波ジャックをした時のセットやパレードのワゴンなんて、「貧しそうな組織なのに、どこから準備したの?」とツッコミたくなるほど、よく出来たギミックだ。暗い感じの話に見えるが、悪役のユーモアさもあるので、意外と、子供も楽しめそうな作品だ。

悪役で登場するジョーカーは、何も共感できない凶悪犯だ。だが、後半で、元の顔を失い、白塗りのジョーカーに変貌した後は、なんとなく同情できる。誰しも、恥をかくと、馬鹿になったみたいに、何もかもがどうでもよくなるものだ。そんな躍起になる気持ちを爆発的に表現したのが、ジョーカーなのだろう。
「人間じゃない!」とヒロインには言われている割には、彼は、人間味のあるキャラクターかもしれない。復讐心にかられ、ただ、戦闘ロボットのように、標的を殺そうという目的を忠実に遂行させるヒーローよりも。