ユースケ

バットマンのユースケのネタバレレビュー・内容・結末

バットマン(1989年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

フランク・ミラーの【バットマン:ダークナイト ・リターンズ】とアラン・ムーアの【バットマン:キリングジョーク】のダークなバットマンをベースに、ダークなティム・バートンが実写映画化した本作は、路地裏に入った瞬間カツアゲが確定しそうなゴッサム・シティのゴシックとインダストリアルが融合した退廃的なビジュアルが素晴らしい一本。
クリストファー・ノーランよ、これがゴッサム・シティだ。

みどころは、いろいろなポーズを決めながらノリノリでマフィアのボスを射殺したり、笑い死に成分を配合した化粧品スマイレックスをノリノリで宣伝したり(スマイレックスのせいで身だしなみが整えられないボロボロのニュースキャスターをお見逃しなく)、Princeの【Partyman】をバックにノリノリで美術品をぶち壊したり、Princeの【Trust】をバックにノリノリで金を撒き散らしたり、ジャック・ニコルソン演じるジョーカー(吹替はデーモン小暮閣下)のハイテンション芸。
握手した相手を丸焦げにする超強力な電流ハンドショックや酸が飛び出すコサージュなど、魔改造されたジョークグッズをはじめ、銃身が無駄に長い超強力な拳銃、ぶん殴られて口から飛び出すカタカタする入れ歯、死んだ後も笑い続ける笑い袋など、ジョーカーの使う小道具も要チェック。
無茶苦茶刃物を振り回す奴とか、滅茶苦茶バク転してくる奴とか、飛びかかってきたと思ったら床が抜けて退場する奴とか、ラジカセを担いだBGM担当とか、ジョーカーの手下もたまりません。 

ジョーカーがバットマンを生み出し、バットマンがジョーカーを生み出すという宿命を感じさせる皮肉の効いた映画オリジナル設定も秀逸なのですが、ジョーカーのキャラが立ちすぎているせいで、バットマンとジョーカーは表裏一体どころか、バットマンが薄味になってしまっているのが少し残念です。

ちなみに、本作のハービー・デントは【スター・ウォーズ】シリーズでランド・カルリジアンを演じたビリー・ディー・ウィリアムス。全くもって役立たずでした。