生物と無生物。
身体を義体化する人間。
人間に極力似せて作られる義体。
人間と動物。
少女と人形。
汚れのないもの。
純真無垢。
イノセンス。
生活の中でもはや切っても切れない、人間とサイボーグの関係。
その境目はどこにあるのか。
それらの持ついのちの重みに違いはあるのか、あって良いものなのか。
そして、そもそも「いのち」とは何か。
今回はバトーの視点からテーマを掘り下げていくイメージ。
犠牲者が出ることは考えなかったのか。
人間のことじゃねぇ、魂を吹き込まれた人形がどうなるかは考えなかったのか?
このセリフに全てが集約されている気がする。
押井守の作品は、内へ内へ深層深く切り込んでいくような興味深い作品が多い。
表層だけ見ると「難しい」の一言で片付けられてしまうのだろうけれど、それは「考えさせられる」作品であり、つまりは観ている私たちに「考えてほしい」わけであって、エンタメとしての作品にとどまらず能動的に頭を働かせる機会を設けてくれているのだと思う。