KnightsofOdessa

ヒズ・ガール・フライデーのKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

ヒズ・ガール・フライデー(1940年製作の映画)
4.0
[世界最速のスクリュボール] 80点

これが噂の"世界最速の映画"である。もしかしたら新幹線より速いかもしれない。元妻に未練たらたらのおっさんが、ワーカホリックな彼女の性格を利用して元の鞘に収めるという話にしては、舞台は事務所と派出所という恋愛映えしない二箇所だけなのに、世界最速テンポでどっと人が湧いては消えてを繰り返すイカれた映画。ウォルターがあまりにも優秀なサイコパスであることを考えると、普通の人間であるブルースにとっては些か分が悪い。しかも、結局はヒルディだって仕事を貫通してウォルターのことが好きだったようだし、ブルースが只管に哀れで悲しくなってくる。

スクリュボールコメディにしては常に男が一つ上にいて、基本的に対等或いは女が上手なジャンルとしては特異な部類に入るのかもしれない。ただ、現代的な視点から考えると、ミソジニー拗らせすぎててモヤモヤする。ヒルディが男性社会で力強く生きている状況と、男にやり込められるモリーを対比したかったのかもしれないが、個人的にはモリーの扱いが酷すぎたように感じた。
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