35年間、母に自宅監禁されていたバビー。実父がフラッと立ち寄ったことで、家庭内の人間関係は崩れ、バービーは外に出る。
虐待、近親相姦、殺人、宗教、偽善活動等、35年たった今、やっと時代が追いついてアナーキーなようでいてあまりにピュア故の行動で私たちに問題定義していく。
善悪、言葉さえおぼつかないバビーが、外と関わる事で一つ一つ学んでいく感覚、表に出てきている社会問題は2023年の今でないと現実感はない。幾つかのトピックで「善良」と思えることが表向きだけあつらえた「悪」であったり、見る側を試すかのような事態を次々に出してくる。
とはいえ、ピュアな愛と正義を貫くバビーのラストシーンは限りなく美しい。まるで聖書を読んでいるかのようなストーリーだった。
