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遺灰は語るのshimaluckyのレビュー・感想・評価

遺灰は語る(2022年製作の映画)
3.2
ノーベル賞受賞者の遺灰を故郷に運ぶ旅。故人について語らない分、淡々と時代背景、市井の人々、政治的なこと、シチリアの美しい風景を描いていく。
まず思うのは、「偉人も死んでしまうと一般人からの扱いはぞんざい」。ただ神格化されて政治利用されるよりむしろ健全ではないか、要所要所にコミカルに入れてくる演出で監督の意図が静かに伝わってくる。
ルイジ・ピランデッロはファシスト党に入党していたらしい。映画鑑賞後に少しばかり調べてみるとシチリアのブルジョア階級→実家が破産、妻発狂、娘自殺未遂と波瀾万丈だったようで、不条理な作品を書いたり、ファシストに系統するのも理解は出来る。
唐突に彼に短編「釘」が始まる。この演出はどういうことなのか、内容に関しては、なぜ少年は殺人を行ったのか?説明が全くないまま、プチっと映画が終了。
観客は何が何だか分からぬまま放っとかれる。しょうがないので、自宅に戻り、色々調べる羽目になる。ココも監督の意図なのか。
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