菅藤浩三

旅情の菅藤浩三のレビュー・感想・評価

旅情(1955年製作の映画)
4.0
ベネチアに立ち寄ったのち、あのベネチアをもう1度視たいと思って鑑賞。サンタルチア駅に始まり、水上バスヴァポレットに乗ってカナルグランデ大運河を渡り、ベネチアのホテルに泊まり、リアルト橋・サンタマリアデッラサルーテ・サンマルコ広場・ドゥカーレ宮殿に赴き、ゴンドラに乗りと、ベネチアの魅力てんこ盛りですわ、あのベネチアの素敵な数々の景色を切り取ったところだけでも100点あげたい映画。
 ディズニーシーはベネチアにそっくりだけど、ディズニーシーでロケしてもこの映画は撮れないね、空気感が違うのよ。なお運河に落ちたところはサンバルナラ広場。
 ストーリーは言葉は悪いが「アメリカのオールドミスが、イタリアの伊達男(実は既婚者)と数日のアバンチュールに溺れそうになるが、振り切って帰る」というリゾラバもの、世界中で人気の高い名画とされているのはキャサリンヘップバーンの迫真の演技のたまものか。実際にイタリアに行って思ったのはイタリア男はマジでカッコいい奴ばっかりでした。
 その伊達男から必死で口説かれたらそりゃ落ちるわ大抵の女性は。とはいえセリフすごいけどさ。
 「汚いとか不倫とかケチをつけず空腹ならある物を食べるんだ、肉(≒若い独身の男)がないならラビオリ(≒既婚者で若くない男)でもね」
 「僕は男だ、君は女だ。考えることをやめ、欲望に素直になるんだ(≒気にせず不倫しようよ)。そうなるのが自然だし、僕はそうなりたい。赤いグラスだけ持って帰国か(≒形ばかりのベネチア名物だけ買って、ベネチアでの男女の思い出は作らないつもりか)?」。
菅藤浩三

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