もちお

ブーリン家の姉妹のもちおのネタバレレビュー・内容・結末

ブーリン家の姉妹(2008年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

 初観賞です。
 字幕版です。
 
 いい映画でした。
 嫌な気持ちになる場面が多かったです(誉めてます)。

 なお、アン・ブーリンやヘンリー8世、エリザベス1世について、大まかな部分は知っていました。
 一方、メアリー・ブーリンについては本作で知りました。

①本作を観た理由
 2つあります。
 1つは、先月(2022年10月)に観賞した新作映画にてアン・ブーリンが重要な役割を果たしており、興味を持ったからです(ネタバレになるので、どの新作映画かは伏せておきます)。
 もう1つは、先日観賞した『ブラック・スワン』にてナタリー・ポートマンさんの魅力を改めて認識したからです。

②印象的な点
・愛憎劇
 ヘンリー8世を巡って、アンとメアリーの姉妹が対立します。
 観ていて、きつかったです。
 意図せずヘンリー8世に気に入られてしまったメアリーが不憫でした。
 出産直後のメアリーが特にかわいそうでした。
 根に持つアンが恐ろしかったです。
 また、アンが処刑されることを知っている未来人からすると、ガツガツ突き進んでいくアンに対して複雑な気持ちになりました。
 一方、ヘンリー8世との関係が悪化するにつれて、弱っていくアンも印象的でした。
 アンの喜怒哀楽が丁寧に表現されており、やはりナタリー・ポートマンさんがすごかったです。
 アンとメアリーは最終的に和解をしていました。
 メアリーの懐の深さに感服しました。
 メアリー役のスカーレット・ヨハンソンさんも素敵でした。

・アンとジョージが……
 流産したアンが最終手段として弟ジョージと性交渉をしようとします。
 引きました。
 未遂に終わりますが、強烈でした。
 密告するジェーン・パーカーも印象的でした。

・アンとメアリーの両親
 お母さんは最も大局が見えている人物の1人だったと思います。
 素敵な方でした。
 その分、家族の悲劇に苦しむ姿がつらかったです。
 一方、お父さんは弱々しくも欲に取り憑かれていて、少し不気味でした。
 コンプレックスがあるように感じました。
 元々生活ができているようだったので、「高望みしなくてもいいのに。」と思いました。
 裕福さよりも愛を重視した妻エリザベスの立場からすると、本当にしんどいと思います。

・ノーフォーク公
 メアリーとアンを利用する姿に嫌悪感を抱きました(誉めてます)。
 それにしても、姪の死刑判決に伯父が裁判官(というより裁判長?)として関与する場面には驚きました。

・キャサリン・オブ・アラゴンの魅力
 気品があって良かったです。
 メアリーやアンに意地悪をしないのも良かったです。
 メアリーに歌わせる場面は、意地悪ではなく、試しているように感じました。
 あくまで気丈に振る舞っていると考えられる範囲でした。

・弟ジョージの処刑シーン
 処刑に歓喜する民衆が怖かったです。
 怯えるジョージとの対比が強烈でした。
 不気味でした。

・冒頭の楽しそうな子どもたち
 とても幸せそうでした。
 その後は愛憎劇が続くので、より印象的でした。
 最後も幸せそうな子どもたちが映って終わります。
 冒頭と対応した終わり方で好きです。
 幼少期のエリザベス1世が映って終わるのは、希望があって良いのかなと思いました。

・出演者が豪華
 ナタリー・ポートマンさんやスカーレット・ヨハンソンさん、ベネディクト・カンバーバッチさん、エディ・レッドメインさんなど豪華でした。
 役者さんたちを観ているだけで幸せでした。
 ヘンリー8世役のエリック・バナさんは、アン・リー監督版の『ハルク』の主演の方なのですね。
 本作の観賞後に知りました。
 こちらの『ハルク』は子どもの頃に観て、不思議な気持ちになりました。

③少し気になったところ
・アンの処刑シーン
 怖かったです。
 胸が苦しくなりました。
 ただ、違和感もありました。
 と言いますのも、弟ジョージが処刑されるシーンでは民衆が狂喜乱舞する一方、アンが処刑される場面では民衆が大人しかったからです。
 劇中で民衆がアンを魔女呼ばわりするシーンがあったので、「黙って見守るのかな。」と疑問でした。
 最後のアンの言葉に感銘を受けたのかもしれませんが、少し気になりました。

・赤ちゃんであるエリザベスを連れていくメアリー
 アンの娘を守る強い決意を感じました。
 一方、「そんな大胆なことをしたら、王に処罰されるのでは。」と冷や冷やしました。

④まとめ
 いい映画でした。
 落ち着いた雰囲気である一方、強烈な愛憎劇でした。
 観て良かったです。
もちお

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