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動くな、死ね、甦れ!のaminのレビュー・感想・評価

動くな、死ね、甦れ!(1989年製作の映画)
4.0
この手の衝撃は、『炎628』を観て以来である。凄まじいの一言に尽きる。多くの人が『大人は判ってくれない』との類似点に言及しているが、序盤こそ似ているものの、後半はまったく別物であった。ワレルカには、ガリーヤという理解者がいるけれど、アントワーヌ・ドワネルは独りで海に向かって走って行くのである。
この映画はとにかく地獄めぐりの連続で、最近の映画だと『異端の鳥』が同じような映画であった。
主人公も含めて、登場人物のほとんどが終始叫んでいて、騒音でやかましい。この五月蝿さが、非常に尖っていて怖かった。画面からは小麦粉を泥水で捏ねて食べる男や、15才になったから妊娠させて欲しいと懇願する少女、産まれたてのハムスターみたいなのを鍋で煮ている女など、常軌を逸した連中が次々に出て来る。実際に起きているのを隠し撮りしたのではなく、計算と設計でこの映画を作り上げているのだから、もう神業である。途轍もないパワーを持った、怪物のような映画であった。
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