浅野公喜

わらの犬の浅野公喜のレビュー・感想・評価

わらの犬(2011年製作の映画)
3.6
ペキンパー版を観たかったのですが、配信されてないみたいなのでリメイク版のこちらを先に鑑賞。
登場するのは都会から来たジャガーに乗りクラシックを流しながらスターリングラードについての作品を書く主人公の脚本家と、鹿の角が付いたフォードのピックアップに乗りサザンロックを流しながら肉体労働する田舎のヤカラ系白人達(=レッドネック)と見事なコントラストです。

障害者の背景が分かりにくい点や、ヤカラ系を何故か挑発したり主張はする強さは有るのに中途半端に主人公の夫に頼る妻の行動(キャラ設定)がイマイチかなと思う一方で、マッチョイズムを信仰し、所有欲・嫉妬心が強く、攻撃的だったり暴力的な所を男らしさと捉える、一種の勘違いをしている一部アメリカ白人の性格を、アメフトを観戦中にレイプがフラッシュバックしてしまう妻の様子等を通じて割と丁寧に描いている点が好感を持ちました。色んな武器を使った終盤の襲撃、ジェームス・ウッズのブチギレ具合(笑)も迫力有ります。

主人公の車の前をゆっくり走って意図的に先に行かせ事故を起こさせようとする「激突!」を連想させるシーンも登場。
浅野公喜

浅野公喜