ドイツがノルウェーを占領していた当時、実在したレジスタンスのリーダー:マックス・マヌスの半生が描かれた映画です。
《そもそもの背景 なんでノルウェー?》
ドイツはイギリス、フランス、連合国軍を相手にする際、自分たちの生命線を奪われない必要があった。
その生命線、ドイツの命綱とは武器を作る鉄鋼石。それはスウェーデンに依存していたが、主に輸送するための港ルーレオ(北部)が冬季は凍結してしまう。その冬季は一度ノルウェーの港ナルヴィクまで移送してドイツまで運ぶことになる。(ちなみにナルヴィクはルーレオより緯度が高いのに凍結しないのはアイルランドが暖かいのと同じ理由、北大西洋海流のおかげですね)
それはイギリスもわかっているのでノルウェーにおいてドイツと連合国側の綱引きが行われることになった。
《マヌスが逃げた先と攻撃先》
劇中、マヌスはスコットランドでレジスタンスとしての技能を磨くわけですが、イギリスとの関係は上記の通りであり、レジスタンスが執拗に港、船を狙うのもまた上記の理由からなわけです。
このあたりはちゃんと知って観たほうが面白いですね。わたしも調べたあとの二回目のほうが良かったです。
《戦時中のドイツの戦争の全貌》
この時期の戦争を扱った映画は、ドイツ国内、アウシュビッツはもとより、先日のチャーチルなどを筆頭にイギリスの目線から、あるいはスターリングラード→ロシアとかが多いですよね。または「偽りの忠誠ナチスが愛した女」では亡命したドイツ国王の幽閉先オランダだったり。
そういう意味で先日の「ヒトラーに屈しなかった国王」は当時のノルウェーの国王ホーコン7世を描いた作品ですが、この「ナチスが最も恐れた男」と合わせて、また新たな歴史を知るいい機会になると思います。