【純真無垢】
職人監督としてのソダーバーグの本領が発揮されている秀作ドラマ。ソダーバーグは冷徹なサスペンスも作れれば地味に心に残るヒューマン・ドラマも撮れる優れたアルチザンだと感じる。
若き日のエイドリアン・ブロディがイケメンで兄弟間の軋轢を割とアッサリと、ウェルメイドに描いたハリウッドらしい作風の庶民劇と言える。これくらい完成度が高ければアカデミー脚本賞を獲ってもいいのでは？
少なくとも『トラフィック』よりも正攻法であざとい要素のない、極めて純度の高いドメスティック・ドラマとなっておりスティーヴン・ソダーバーグはやはり巧い監督だと実感した次第。またこのように原点回帰してほしいと思う。
