LEONkei

マイ・サマー・オブ・ラブのLEONkeiのレビュー・感想・評価

マイ・サマー・オブ・ラブ(2004年製作の映画)
2.5
思春期のひと夏の経験は、人生にとって特別な微睡み。

モナとタムジンの二人の少女はそれぞれ違った環境と境遇を待っているが、共通していることは刺激的な〝夏〟にココロ惑わされたことだ。

自分の持っていないモノを持っている相手に出会った時、それは理屈ではなくカラダの奥底に眠っていた乾いたココロにジュワッと甘い蜜が浸されたような気分になる。

この感覚はきっと『夏のせいなんだ。本物ではない…』と自分を疑うが、未熟な少女にはそれが現実だろうが幻想だろうが構わない。

思春期の少女は世間を冷めた目で見たり大人びた事を口走ることがあるが、それはまだ大人の世界を知らないからこそで純粋で透き通ったココロが残っている証拠だろう。

満たされないココロに葛藤する感情こそ、少女に満たしたい意欲が残されている。

大人になるとその感情は希薄になり、あったとしても制御せざるをえなくなる寂しさ。

純真無垢なモナの幼さと大人びたタムジンの出会いは、互いに何を求めていたのか真夏の太陽の下で確かめ合った。

ひと夏の微睡みは甘酸っぱいだけでなく現実的で刺激的かもしれない、それもまた過ぎ去れば経験と思える日が来るだろう..★,
LEONkei

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