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三人の名付親のkaoruiのレビュー・感想・評価

三人の名付親(1948年製作の映画)
4.0
小編ながらフォードらしさに溢れた佳い作品。
追われる三人だけではなく、追う方である人情味たっぷりのウォードボンド演じる保安官も魅力的で、貯水場の酒場のオカミさんとの絡みとかアメリカンな大らかさで見てるだけで幸せな気持ちになる。
ところがある出来事がきっかけで保安官にギアが入ってから熾烈を究める。
一方の三人は水を求めて赤子と怪我人を抱えて約束の地を目指すのだけど、過酷な絵が続く。
奇跡はなかなか訪れない。
ついに見つけた湖が塩で、ひび割れた地面の向こうをフラフラいく三人の絶望感を映像で表現する演出、画面強度。
一人一人の命を削りなんとか赤子の命を繋ぐのだが、漸く訪れる奇跡に涙腺が決壊した。
多幸感いっぱいの青い空を見上げるショットでフェイブルマンズのラストカットを思い出した。
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