このレビューはネタバレを含みます
ジョン・フォードが油の乗り切っていた1940年代に監督したクリスマス向けの西部劇。
おおよそ西部劇にクリスマスは似つかわしくはないが、新約聖書が登場し、イエスの誕生時にやってきたという「東方の三博士」になぞられたエピソードが挿入されており、キリスト教要素の強い映画でもある。
フォード自身もお世話になったサイレント期の名優であるハリー・ケリーに捧げられている。
その息子であるハリー・ケリー・ジュニアもやや線が細いも重要な役柄で出演。
町で強盗を犯し、追っ手からの追及を逃れる為に、聖書片手に衰弱した体に鞭打って灼熱の砂漠を歩き続ける3人(ジョン・ウェイン、ペドロ・アルメンダリス、ハリー・ケリー・ジュニア)。それぞれ個性があって、その掛け合いも楽しい。
砂漠で立ち往生した幌馬車内で産気づいた婦人の赤ちゃんへ哺乳瓶での食事といった育児方法がコミカルに描かれており心が温まる場面もある。
助けた赤ちゃんを保安官夫妻に託して、刑期を勤めに町を去るラストシーンが素晴らしい。