安堵霊タラコフスキー

水で書かれた物語の安堵霊タラコフスキーのレビュー・感想・評価

水で書かれた物語(1965年製作の映画)
3.7
同じ県の人間なのに石坂洋次郎原作の作品を一つも見てないのはどうかと思ったので、とりあえず一番好きそうな吉田喜重の監督作品を見てみた。

昔から思っていたことだけどやはり吉田喜重作品にはベルイマン的な妖しい雰囲気があって、しかもこの作品の岡田茉莉子にはリヴ・ウルマン的な魅力が見て取れるのが良い。

でもドロドロした関係を描く題材が好みじゃないのと夢のシーンとか演出が野暮ったく思えた場面もいくつかあったこともあり、2時間でもちょっと長く感じられたし、岡田茉莉子以外の演者の魅力が乏しかったのにも物足りなさを覚えた。

あと序盤にあった少年時代の温泉のシーンがあまりに鮮烈だったせいで、もう少し幼少期の場面が欲しかったという欲求が強くて一層物足りなく思えてしまった。