回想シーンでご飯3杯いける

マン・オブ・スティールの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

マン・オブ・スティール(2013年製作の映画)
3.5
'78年に公開された映画版「スーパーマン」を観てから40年経ったという事なのか。当時は子供だったので記憶は曖昧だけど、このリメイクを観て、あーそうだった、そうだった、と当時のストーリーを思い出す。演出がダークファンタジー寄りになっているので、パッと見た感じの印象は大きく異なる物の、設定としては'78年版をしっかり踏襲しているのではないだろうか。

ダークファンタジー寄りの演出の最たる物として、スーパーマンことカル・エルが、人間に恐れられる奇異な存在として描かれている事。これが「X-MEN」でのマグニートーやミスティークの描き方に似ていて凄く良い。

クリストファー・ノーラン版「バットマン」3部作を観た時にも感じたけど、僕はヒーローが持つ悲哀の部分に心が動かされる。「アベンジャーズ」系のようなカラッとした楽しさとは正反対を行く、ドラマとしてのアメコミ映画。エイミー・アダムス、ケヴィン・コスナー、ダイアン・レイン等、脇を固める俳優の存在感も素晴らしい。

アクション部分に手抜きがあるわけではなく、2013年の映画としては映像技術も相当頑張っている。特にカル・エルが初めて飛翔するシーンでの、自然の美しい描き方と爽快感は、彼が地球への愛を深めていく起点として、強く心に残る。