「渇き」っていいタイトル。
終盤にさしかかるまで、「大丈夫かこれ」と、ヒヤヒヤさせる感じでしたが流石はパクチャヌク。
劇映画として華麗に着地してくれるから、終わりよければすべてよし、全部許せてしまう。
なんでやねん。
楽観的で拍子抜け、即興っぽくてナンセンスなテンポ感がこちらを絶妙な居心地にさせますね。
着地まで迎えると、この二人の抱えている、人生かけても拭うことのできない大きな渇きを体感することができるでしょうか。
韓国映画の乾いた質感に、ひっそりと佇む根本的な社会的風習、苦役が蠢いているように見えます。
どうして彼彼女らがあそこまでしてカラッカラなのか、その全貌を知るのは難しいかもしれませんけど。
少なくとも二人がああなってしまうのには、何か運命めいたものを感じます。
ここではない何処かへ。
でもそこへいったとて、待っていたのは新たな渇きでした。
色々設定凝ってるくせに呆れるくらい軽妙なロマンチックラブストーリー、自堕落で破滅的に奔放する二人が、ゴダールみたいで、岡崎京子みたい。