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華麗なるギャツビーのkaaanafilmのネタバレレビュー・内容・結末

華麗なるギャツビー(2013年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

・ギャッツビーの執着
叶えられなかった過去に執着して、取り戻したつもりでも、過去は取り戻せない。
なぜなら、周りの心や環境は変わり続けているから。その間に起こったことは誰にも変えられない。過去に執着しすぎるのではなく、起こった出来事を受け入れていれば、未来は変えられたはずなのに。未来に思いをはせ、今を生きていれば幸せになっていたのかもしれない。

・デイジーの揺れ動く気持ち
無いものねだり、渇望し続けてていたということ。トムを愛し愛されていたのに、ギャッツビーと結婚ができなかったことで満たされていなかった。いざギャッツビーが現れ、すべてを用意してくれたのにも関わらず、トムを捨てられなかったのは、そこにあった幸せに気がついたからなのか。私利私欲に走ったのか。結局自分が大事だから、最後はトムを選んだんだと思う。

・事実はすり変わる、真実とは?
ギャッツビーは愛人を引き殺したということになってしまった。本当はトムの愛人なのに。引いたのはデイジーなのに。事実がすり替わり、トムの愛人の旦那に撃ち殺される。そして悪者になってしまったギャッツビーの葬式には誰も来なかった。結局、ギャッツビーは孤独だった。
ギャッツビーは死ぬ直前にデイジーから電話が来たのだと思っている中死んだ。本当は違うのに。勘違いしたまま死ねたことが唯一の救い。
事実と真実。事実のすり替えによって死ぬことになったギャッツビー。そもそも自分の本当の生い立ちの事実をすり替えていたのもギャッツビー。事実はどうにだってすり替えることができる。じゃあ本当の自分はどこにいたんだろう。本当に自分がほしかったものはなんだったんだろう。考えさせられる映画だった。
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