碧

華麗なるギャツビーの碧のネタバレレビュー・内容・結末

華麗なるギャツビー(2013年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

ニックが精神科医に語る構造を入れることで、デイジーを想って巨額の財を成し死んだ男、ギャツビーを描くことに徹底している。

上流階級の暮らしぶりが豪奢で美しい。ギャツビーの豪邸でのトレンディなセレブを集めた賑やかなパーティ、トムとデイジーが暮らす庭でポロができる伝統美溢れる邸宅。

ちょっと童顔のキャリー・マリガンは物憂げな人妻デイジーのイメージじゃないと思ったけど、ソファの背もたれからの手入れの行き届いた指先と大きな瞳での登場に釘付けになった。ギャツビーの家に保管されている上質なシャツを大量に撒き散らす場面でも音楽、映像、彼女の声がマッチして素晴らしかった。

ディカプリオは自信に満ちギラギラしていて、繊細さがでていないと思った。言葉遣いは原作に沿ってるのになぜだろう。私の好みじゃないだけかもしれないです。すみません。

原作を忠実に映画化したら2〜3時間じゃ済まないのはわかるけど、ギャツビーの葬式に父が訪れ哀惜する場面や仕事仲間が列席を断る場面、トムがデイジーがひき逃げ犯と知らずギャツビーを罵る場面など、ギャツビーやニックの真の優しさ、階級社会への本質的な提言を示す重要な意味を持つ部分がカットされてるのは残念だった。
碧