HeartFull

LOOPER/ルーパーのHeartFullのレビュー・感想・評価

LOOPER/ルーパー(2012年製作の映画)
3.5
過去に行く理由が、過去にいる自分に殺されるためというのは、ループものとしてのアイデアでは斬新で、タイムトラベルはややこしいと説明しないのはある意味清々しいです。ですが、余生を過ごす場所が行きつけの店のウェイトレスの影響からかフランスだったのに、「中国には将来性が」というのは、いやらしいこの一言を言わすためにフランスをだしに使っていたのかと思うと尚更いやらしく思います。
最後世界的にはハッピーエンドのようでしたが、他の二人の子供は殺されたままなので、二人の親、関係者がジョーのようにシドにたどり着き、恨みを晴らす可能性が残っているのと、シドが暗黒面に落ちたのは目の前で母親を殺されたためとされていましたが、あの子は割と強情でわがままだったのに加え、強大な力を持っているのでこの力を悪用すればと成長過程気づき暗黒面に堕ちる危うさが残っていると思うで、あの選択で世界平和になるのか疑問が残ります。
そして何よりも血の繋がっていない他人や家族間でも色々あるので、友人や親、兄弟の言葉は信じられないのは、30年という長い時間であったとしても、自分自身の話を信じないのはどうかと思います。未来のジョー自身一応筋の通った話をしているのに、自分の人生だからとその後の人生を知っている未来の自分の話を拒絶する理由があまり描かれていない印象です。もし組織を敵に回すのはまずいと思ったのなら、未来から来たジョー1人で壊滅するような組織なので説得力に欠けます。では、未来から来たジョーの語ったは筋が通っていたので、話はわかるが未来の自分に許せない部分があったとすれば、頭皮の薄くなった未来の自分は気に入らなかったのか、それとも今まで勉強してきたフランス語ではなく、未来から来た上司の一言で中国を選んだ自分は信用できないとなったのかしか残らなくなると解釈しました。
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