Ryoko

白いカラスのRyokoのレビュー・感想・評価

白いカラス(2003年製作の映画)
4.2
年の離れた2人のとても悲しいラブストーリー。根底にあるのは、アメリカ社会に根付く人種差別。「肌の白い黒人」という人たちがいることを初めて知りました。

出自を隠しながら生きてきた大学教授の男性(アンソニーホプキンス)。講義中のたった一言で人種差別主義者のレッテルを貼られ職を追われしまう。さらには、妻がショック死してしまう。
かたや、養父からの虐待、子供の死という過去を持ち、元夫からの執拗な暴力から逃げている女性(ニコール キッドマン)。

だれでも人には言えないトラウマや傷はあるけれど、それでもこの2人の抱えている傷はあまりにも深すぎる。出会いは遅すぎたけれど、悲しみを分かち合って、求め合って少しでも2人の傷は癒えたのかな。ラブシーンもとても美しく感じました。
ニコール キッドマンはこんな儚げで幸の薄い役もできるのかと驚いた。個人的には一番好きな役!ベトナム帰りの暴力夫を演じたエド ハリスも見ただけでクレイジーとわかる怪演ぶりでさすがでした。
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