ハレルヤ

パフューム ある人殺しの物語のハレルヤのレビュー・感想・評価

3.8
18世紀のフランス。生まれつき驚異的な嗅覚を持つ男グルヌイユ。美しい香りを探求するうちに女性を次々と殺害する狂気へと暴走する姿を描いたサスペンス映画。

まずベン・ウィショーの見事な怪演に尽きるでしょう。理想の香水を作るため良い香りのする美しい女性を次々と手にかける恐るべき主人公を完璧に演じていましたね。それでも香水を作る能力は類い稀なるもの。天才と狂人は紙一重というのを感じさせてくれます。

ベン・ウィショーは今まで007シリーズの現Q役でインテリな若者のイメージがありましたが、本作でそのイメージ覆りました。007だけでなく他の話題作にも多く出演してるのも分かります。脇役にもダスティン・ホフマン、アラン・リックマンという大御所がいるのも豪華。

冒頭からの10分はグルヌイユの不幸な生い立ちを描いていて、視覚的にも精神的にも気分が悪くなるような胸糞描写の連続。下手したらこの辺でギブアップする人がいてもおかしくありません。パッケージが華やかなので尚更ギャップを感じます。

終盤のあのシーンはとにかく圧倒されました。ここまで突き抜けていたら流れに身を任すだけのような状態。2時間半の長さもそれほど気にはなりませんでした。

その反面かなりの癖があるし万人受け要素はありません。見る人を選ぶ作品で言い方が妥当か分かりませんが、ある意味芸術的な作品でもあります。
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