Sari

ハハハのSariのレビュー・感想・評価

ハハハ(2010年製作の映画)
3.7
【恋愛についての4つの考察】第2作。

第1作『よく知りもしないくせに』(2009年)
第2作『ハハハ』(2010年)第3作『教授とわたし、そして映画』(2010年)第4作『次の朝は他人』(2011年)

映画監督と映画評論家の男性が、港町で恋に落ちた女性たちとのひと夏のヴァカンスを綴る、カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリ受賞作。

カナダに移民することを決意した映画監督のムンギョンは、先輩の映画評論家チュンシクと一杯飲むことになる。酒を飲み交わしながら、それぞれが偶然にも同じ港町「統営」を訪れていたと知る。ムンギョンは統営にあるフグ料理屋を営む母親を訪れ、史跡の観光ガイドのソンオクに一目惚れ。ソンオクには海兵隊員の恋人チョンホがいるが、お構いなしに彼女を追いかけ続ける。ムンギョンはチョンホの浮気現場に遭遇し、ソンオクと破局に追い込む。そして彼女にプロポーズをするが…。
一方で、チュンシクは大学の後輩チョンホに会う為と、愛人のヨンジュとアバンチュールのために統営へとやって来た。妻と離婚せず煮え切らないチュンジグにヨンジュンは詰め寄るが…。

殆ど同じ時に、同じ場所を訪れていながらもムンギョンとチュンシクは統営では出会わないのだが、彼ら以外の登場人物たちが関わり合う群像劇。母親が営むフグ料理屋、母の古びたアパートが共通の場所として用いられ展開していく。息子やふたりが酒を飲み一夏を回想する現在のシーンがモノクロのスチールショットとして、過去と異なる時間軸を繋ぐ。
一目惚れで突き進む男の滑稽なまでの率直さと、男の行動に引きつつも、心が動いていく女性側の心理描写。その愛についての会話はリアルな生々しさがある。キム・サンギョンとムン・ソリの肉感的な掛け合いが、スリリングで面白い。

2023/05/29 DVD
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