りえぞう

サイド・バイ・サイド フィルムからデジタルシネマへのりえぞうのレビュー・感想・評価

3.6
デジタルシネマの普及によって今や消えつつあるフィルム。キアヌ・リーブスが企画製作とナビゲーターを務め、映画の現在と未来を探るドキュメンタリー。

マーティン・スコセッシにジョージ・ルーカス、クリストファー・ノーランなど錚々たる映画監督の出演が豪華なのですが、インタビューをするキアヌの髪型や髭の伸び具合が毎回違っていて、そこも地味に見所かも。笑

フィルムとデジタル。
どちらにも一長一短がある。
画像の美しさや編集のしやすさ。
ラッシュ(撮影結果)の確認やテイクの長さ。
予算や保存。
鑑賞方法や映画制作の大衆化。

印象的だったのはカットの長さの見解。
フィルムは最大10分までしか回し続けられず、フィルム交換もあるため休憩を入れながら撮影するしかない。
せっかく魔法がかっかたような演技が続いている時にカットをしたくないという意見と、フィルムが回る音を聞きながら、短時間で集中する方が良い緊張感と創造力が高まるのではないかとの意見もあり、どちらにも納得でした。
また、フィルムの基準は100年前と同じで、今も昔もフォーマットは変わらないのだが、デジタルは確定しておらず、フォーマットは様々。データはあっても再生できない現状があることを問題として挙げていました。

現在はフィルムからデジタルへのまさに過渡期であり、カメラの進化による撮影、カラー補正等の編集、映写機による上映、保存、再生までの問題点や改善策、また、変化の過程にある代表的な映画も多く紹介されていて、興味深い作品でした。

ルーカスはフィルムは終わったというけれど、フィルムも選択肢の1つとして残るであろうと、監督の考え方も人それぞれ。
アナログからデジタルへの変化は映画だけではない。消えていったものもあれば今もなお残っているアナログもある。アナログは手が掛かる分、そこに温かみも感じるのですが、このside by sideの関係はどうなるのでしょうね。どちらの映画も楽しめる今は、とてもありがたいことなのかもしれません。