ハナカズキ

ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日のハナカズキのレビュー・感想・評価

4.2
この映画は、インド人青年が227日間トラと漂流した物語です。って、タイトルで全てネタバレしてますやん!と鑑賞中に突っ込みたくなること請け合いのこの映画。まんま、タイトルの通りのお話でした。

が、驚くことにネタバレしていても面白かったんです。そこが素晴らしい。

途中までは非現実的だったり不自然だったりでちょっと冷めた目で見ていました。が、美し過ぎる海や夜空の映像が現実感がなく絵本のようで、これは童話だと思って見ればいいんだなと気持ちを切り替えることに。

童話だと思えば、カボチャが馬車になったって、桃から男の子が産まれたって受け入れられる。それらに比べたらトラと漂流するくらいどうってことない。そう思うとこの物語がすんなり頭に入ってきました。

この美しすぎる海や生き物、夜空。CG頑張り過ぎてかえって嘘っぽいなと思っていましたが、これはあえての絵本っぽさだったのでしょう。ラストまで見ると知らず知らず制作者の意図にまんまと乗っかっていたことに気付きます。

よく「おとぎ話のような世界観」「絵本を見ているかのような映画」と評される映画がありますが、この映画の本当のすごいところはそこではありません。まだ未鑑賞の方はネタバレを避けてご覧ください。いや、ま、大半はタイトルでネタバレしてるんですけどね。

それと私は宗教のことはあまり分かりませんが、主人公の宗教観、死生観を垣間見たことは興味深かったです。
ハナカズキ

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