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ムーンライズ・キングダムのSpicaのレビュー・感想・評価

ムーンライズ・キングダム(2012年製作の映画)
3.9
「でも未来は予言できない」

オープニングからエンドロールまで、色彩にカメラワークに音楽と、ウェス・アンダーソンらしい世界にワクワク。
舞台は1965年。サムとスージー、12歳の少年と少女の逃避行という微笑ましいストーリーですが、可愛らしいからこそ残酷で、純粋だからこそ無鉄砲。
孤児、問題児、いじめ、思春期、恋、友情、将来。心の中のデリケートな部分を言葉少なに表現していて、大人の心にもチクチクと棘を突き刺してきます。
サムの可愛らしい雰囲気と強い意志、スージーのクールな表向きと内面の繊細さの絶妙なバランスも魅力的。
警部と隊長の少し頼りないながらも、ちゃんと子供に対等に向き合ってくれる信頼感もまた良し。

彼らが逃げ込んで名前をつけた浜辺から、彼らの人生の変化が始まって新たな世界へ。

エンドロールでは少女が読んだ本の表紙のアートワークや、サムが描いた絵も。粋な計らいに最後の最後まで楽しませてもらいました。
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