さききち

シュガー・ラッシュのさききちのレビュー・感想・評価

シュガー・ラッシュ(2012年製作の映画)
3.5
劇場公開時ぶりの鑑賞。

カクカク平面ポリゴンのキャラ達が、彼らの世界で、奥行きを持って息づく姿に胸ときめく。多数の人気ゲームキャラのカメオ出演はまさに『レディ・プレイヤー・ワン』の先駆け。レトロゲームの定型コマンド、露骨にマリオカート64意識のゲーム世界や視点には、友人と遊びまくったあの頃を思い出して興奮せずにはいられない。

また、ディズニーらしく、虐げられたマイノリティへの目線の暖かさも印象的だ。本編の展開はベタではあるが、マイノリティとマジョリティ、善と悪、無意識の役割モデルについて、強く自身の襟を正す。この意識は『ズートピア』や『リメンバー・ミー』にも継承され結実する。

スイーツで構成された「シュガーラッシュ」のステージとは裏腹に、時折挿入されるバイオレンス/ホラー描写-映画『エイリアン』オマージュが多いが-は油断しているとグサりとくる。

この(ある意味)緩急も、本作が凡作に止まらない理由の一つだと思う。

12月公開の新作、楽しみですね。
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