ちろる

夜ごとの美女のちろるのレビュー・感想・評価

夜ごとの美女(1952年製作の映画)
4.1
現実世界は退屈で、情けない日々、でも夜になれば理想が世界が広がる。
もし、夢の世界がとなもリアルでそれがとても満足のいく生活だとしたら、それはそれであり?
よくある夢と現実が曖昧な夢幻的な世界ではなく、あくまでもドタバタ劇としてコミカルな仕上がりになっているのだけど、このはちゃめちゃ感がなんか好き。
テリー・ギリアム監督の作品なんかがお好きな方には是非ともおすすめしたいファンタジー。

ウダツの上がらない音楽教師クロードは、寝ている間だけ見る夢では美女と愛し合い、自分の作曲した音楽がオペラで流れるという幸せな時間を過ごせる。
どうか、どうか目を醒させないでくれ、このまま僕をこの素敵なお伽話の主人公でいさせてくれ。
夢の中で公爵夫人との不倫シーンとか、工事現場の音で全然聞こえない時の郵便職員とのやりとりとか、結構コントみたいな面白い演技をするジェラール・フィリップがとってもキュート。

公爵夫人との逢引を繰り返すフランス革命の時代と、セクシーなレイラ姫とのアラビアンラブなんかとはちゃめちゃで楽しいけど、現実との差がどんどん広がってくクロード。
夢で色んな手を出しちゃいけないような女に手を出しすぎて、折り合いつかなくなって、過去の世界めちゃくちゃにして、どうすんのさクロード!となってから・・・さぁクロードの物語はどこへ向かうのか?
誰もが笑顔になるような満足のいくラストにほっこりさせられました。
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