せびたん

人狼村 史上最悪の田舎のせびたんのレビュー・感想・評価

人狼村 史上最悪の田舎(2011年製作の映画)
3.8
スペイン映画らしいひねりというかずらし方を楽しめる映画でした。
このての映画にありがちなお約束の展開がほんのちょっとずれていくのですが、そのずれ方がすごくいいんです。特に私たちが基準にしがちなアメリカ映画だと非情な展開になるところで情に流されぐたぐたになったりするところが面白くて、これはスペインの国民性なのかなと想像したりしました。

静かな展開の中で突然どかんっ!てくる感じも好きでした。ちょっと変わったホラーコメディなのかな。

ヴィト(犬)がかわいかったです。
私の中では『偶然の旅行者』のエドワード(犬)と並ぶかわいさでした。

『気狂いピエロの決闘』でハビエル役だった役者(カルロス・アレセス)さんも出てました。この方、いろんな映画で目にするのでスペインでは人気がある方なんでしょうね。垂直方向に圧縮したウイリアム・ハートみたいな感じで私は好きな俳優さんです。

原題を直訳すると『アルバ(村の名前)の狼たち』で、英語のタイトルは『狼男たちのゲーム』みたいです。当然ながら原題が一番雰囲気にあってました。

アレックス・デ・ラ・イグレシア監督の映画の雰囲気とよく似てる映画でもありました。セリフのテンポや笑いの質がそっくりなんだけど、セリフ回しはあれほど高速ではないし、強烈な笑えるネタが5分ごとにくるような密度の濃さもない(本作は30分に1回くらい)ので、マイルドなイグレシアという感じ。
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