デッカード

カリフォルニア・ドールズのデッカードのレビュー・感想・評価

カリフォルニア・ドールズ(1981年製作の映画)
3.0
2人の女子プロレスラーとマネージャー。

全米をボロ車でどさ回りする3人のロードムービー部分はうらぶれた感が漂う。

見せ物とあざけられながらも奮闘するレスラー2人は健気。

Pフォークがろくでなしぶりを不思議な魅力で演じる。

全米王者を賭けた決戦は熱くなる。

マネージャーのハリーはケンカっぱやくレスラーの2人を見せ物にして食っていこうとする守銭奴なのだが、ロードムービーの部分では自分の生い立ちをゆっくりと語り味わいがある。

アイリスとモリー2人の女子プロレスラーはときには泥レスまでさせられ、自分たちのやっていることは所詮見せ物なのではないかと悩みながらも、失いそうになる人間、レスラーとしての誇りを持ち続けようと懸命に生きていく。

ときにシリアスで、ときにコミカルな3人の関係性には不思議なほどの親和性があり、互いに喜んだり悲しんだりケンカしたりする様子はなぜかほのぼのとした温かさを感じてしまう。

途中日本の女子プロレスラーも登場し、かつての日本の女子プロレスブームも思い出させてくれるし大事な伏線にもなるのだが、日本人マネージャーの名前がヘンテコで「?」笑

クライマックスの北米タッグ王者を決める大試合は今見ても熱気にあふれている。
マネージャーとしての実力を発揮するハリーに彼の見方が変わってしまった。

女子プロレスを"見せ物"とは言わせない誇り高いレスラーの姿と信頼し合う3人の人間の姿がしっかり描かれていて、さわやかな感動にひたれる映画。
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