ちろる

ブラック・ジャックのちろるのレビュー・感想・評価

ブラック・ジャック(1996年製作の映画)
3.8
年老いた内臓を持った幼い少女
「超人類」と呼ばれる超人的な身体能力を出すオリンピック選手たち
人間の欲望と野心を容赦なくえぐり出すブラックジャックを主役としたオリジナルストーリーの劇場版です。

時代は今よりもずっとずっと昔なのだろうが手塚治虫らしい近未来の雰囲気。
もう、今の時代ではファンタジーとは到底言い切れないような「生命」の選別や改良をしようとする行きすぎた科学に対してブラックジャックの言葉を通して断罪するなかなか骨太な内容。
アニメーションならではのリアルな手術シーンや、ダイナミックなカメラワークが印象的で、ブラックジャックの漫画を擦り切れるほど読んだ人でも、ブラックジャックの漫画とはまた一味違った雰囲気で世界観を楽しめる独特さがあります。

ブラックジャックだからあえてのアニメーションなのでしょうが、人間関係の複雑さや、人体についての専門的な台詞の多さなど鑑みると実写のような重厚感があり、完全に大人向けのアニメーションでした。
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