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空気人形のはのレビュー・感想・評価

空気人形(2009年製作の映画)
4.8
あまりの切なさにつらくてつらくて落ち込んでしまった。
なにが? って板尾創路の立場に。
妄想の世界での妻にまで嫌悪感を抱かれ浮気され勝手に他人にまで抱かれ、最後まで分かり合えることもない。
誰にも迷惑をかけない妄想の世界ですら幸せになるなと言うのか。
…もう独り身のおっさんは生きるなってことだろ。

あんなに大事にして毎日話しかけていた彼の心なんて、妄想の妻にも無価値と唾棄されるものでしかなかった。
代用品だろうと作り物だろうと、誰一人にすら届く気持ちがない板尾創路の住む真の孤独の世界に比べれば、幸福の極致と言っても過言ではない。

闇。
一切の光も届かぬ宇宙の深みに一人取り残されたかのような深い闇。
独り身のおっさんが居るのは、誰にも救われることのない孤独の牢獄。
牢獄の外を夢見ることそれ自体、世間から見れば「気持ちが悪い」。



月島〜新富町の辺り縁があって、あのフェリーにもよく乗った。
主演の女優がどことなく昔の彼女に似ていて、画面には見慣れた景色。
なおさらピンポイントで死ねと言われている気がしたw

ビデオ屋の店員はなんであんないい部屋に住めるんだ?
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