トリアーは人のトラウマを描くのも、
見ている人にそれを植え付けるのも上手い。
彼の作品を見るたびに、こういう映画が、
世の中に存在するんだって、ゾッとするし、
これを見てしまっている自分を含め、
欲している人が世の中に存在してると思うと、
人間の心理的なものにゾッとするがある。
それをふと気づかせてくれる映画でもあった。
最初から最後まで、一つ一つの行動が繋がり、
時には視点を変えることで見えてくるものもあり、
“魅せ方“にもハッとさせられる。
美しい音楽や美しい映像を逆手に取るような、
場面の数々で、物語のギャップも面白かった。
ただ、暴力的なところもあり、見た後、
なんともいえない気持ちにはなるので、
人には、中々おすすめできない…
ただ見てしまう理由の一つとしては、
自分が生きていて、中々遭遇しない世界観、
価値観なので、トリアーの作品は、
そういった意味で興味深いのだと思う。