MasaichiYaguchi

エンド・オブ・ザ・ワールドのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

3.4
「世界の終わり」の日が訪れるとしたら、あなたはどう過ごしますか?
ドラッグや酒、セックス等の快楽に溺れる。
自棄になって暴動を起こす。
ひたすら神にすがり、神の御許に行くことを祈る。
最後まで諦めず、食料等を確保し堅固なシェルターに立てこもる。
この作品の主人公、中年男性のドッジは、地球滅亡の報と共に妻に去られても、一人、普段の生活をしようとする。
そんな彼の残りの日々を変えてしまう一通の手紙が手元に来る。
彼は、その手紙を持っていた隣戸の若い女性・ペニーと、「ある切っ掛け」で、お互い「最愛の人」と再会すべく旅立つ。
このロードムービーの中で彼らは、「世界の終わり」に様々に向き合う人々と出会っていく。
主人公達を除き、これらの登場人物達の中で印象的なのは、ドッジが雇う黒人の家政婦さん。
世の中がどの様になろうとも、いつも通りに誠実に仕事をしていく彼女の姿に胸打たれる。
私は、彼女みたいに「世界の終わり」に向き合えるだろうか。
紆余曲折しながら、主人公達は「最愛の人」のいる場所へ目指していく。
果たして彼らは「最愛の人」に出会えたのか、そして「世界の終わり」をどう過ごしたかは、本編をご覧下さい。
「世界の終わり」の日々を描く本作品は暗い内容だと考える人が多いと思うが、数々の懐かしいアメリカンポップスの名曲と人の温もりに彩られていて、何とも言えないラストを迎える。
「世界の終わり」の日が来るかどうかは分からないが、何があるか予測出来ないこの頃、一日一日大切に、愛する人と過ごせたらと思う。