好歌

風立ちぬの好歌のレビュー・感想・評価

風立ちぬ(2013年製作の映画)
4.0
本当なら星5つ付けたいが、素晴らしい物語や映像もたった一つの欠落で全て台無し!
映像がとても美しく、当時の昭和の街並みや建物が細部まで丁寧に描かれていて、幼少の頃、こんな景色がまだあちこちで見られたなぁと懐かしかった。
自分の好きな道を信じて人生を捧げ没頭する好感の持てる若き好青年、そして菜穂子と出会い心が通い合うロマンス、そこへ暗雲が立ち込め…
本当に素晴らしい内容でジブリ作品の中では思い出のマーニーに次ぐお気に入りの作品になる所なのに、なり損ねた唯一の理由は、重要な主人公の役に庵野監督という素人の演技者を導入したこと。
確かに良い声だが、セリフのひとつひとつに全く真実味も感情も伝わらず、小学生の文化祭並みのど素人棒読みで全てが台無し。
声優や俳優などプロの演者は、感情の入れ方、セリフの強弱、気持ちの持って行き方など、本当に一生懸命練習し、研究を重ね、並々ならぬ努力をしながら役になりきるべく経験を積まれている。そういう人たちを起動しないのはなぜなのか?
確かに庵野さんは落ち着き安らぐ声だと思うが、声のトーンだけで主人公の大役を任せるのはあまりにも安易で無理があり、素晴らしい物語、脚本、映像などに対する冒涜だ。
本当なら星5つ付けたい映画だが、たった1つの欠落で、泣けもせず、感情移入もできず、大変残念だった。
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