Siesta

世界にひとつのプレイブックのSiestaのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

喪失と再生を2人の主人公を通して描かれていく パットは妻の浮気をきっかけに、浮気相手に暴行を加えたことで精神病院へ 一方でティファニーは、夫の死から性依存症に そんな2人が出会い、互いの傷を見せ合い、癒し、本当の意味で過去を乗り越えていく姿は王道ながら感動的 そして、何よりブラッドリークーパーとジェニファーローレンスの主演2人が魅力的 2人の姿は感情が不安定すぎて、感情移入できない人もいるだろうけど、不器用ながら必死な姿に胸が打たれる 初めての出会いで、薬物療法の話題で意気投合するところがおかしいし、だからこそ2人にしか分からない苦しみがあったわけでもあり 与える苦しみという視座 キリンジ「Drifter」の「みんな愛の歌に背つかれて 与えるより多く奪ってしまうんだ」という歌詞が浮かんだ もちろん、見返りを求めてのことではなくても KAN「愛は勝つ」の「傷つけ傷ついて 愛する切なさに少し疲れても」なんかもそうだろう それでもやっぱり「愛は勝つ」というのがやっぱり良い
自分自身の存在証明のために、ダンスに取り組んでいく 5.0という点数で喜ぶ姿、その姿勢はさながら「ロッキー」 パットが「君とは違う」という言葉に傷つくティファニーは、パットより少し前向きに歩き始めていると共に、自分自身の過去を受け入れているというバランスが面白い 本番直前にニッキを見て落ち込んでしまう姿がいじらしい しかし、本番終了後にパットが追いかけて結ばれる2人 自分を想ってくれる人と出会える幸運と、似たような苦しみを共有し、傷を見せ合えたことで生まれた絆 ティファニーがパットの上に乗り微笑み合うラストカットがたまらない
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