ユースケ

キャビンのユースケのネタバレレビュー・内容・結末

キャビン(2011年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

夏休みのバカンスに森の中の別荘を訪れた若者たちがモンスターに次々と殺されていく。そんなホラー映画の王道パターンには驚くべき秘密が隠されていた。

キャスティング、ロケーション、シチュエーション、モンスターのチョイス、死亡フラグなど、謎の組織が全てを管理。しかも、彼らの目的は、かつて太古の地上を支配していた古き者どもを鎮めるために生贄を捧げる事。登場するモンスターの顔ぶれ見ればわかるように、全てのホラー映画は彼らによって作られたドキュメンタリー映画だった…というメタフィクションとクトゥルフ神話が同時に楽しめるお得な一本。

みどころは、ホラー映画へオマージュを捧げたモンスターの数々。
CGを極力使わずに特殊メイクにこだわるところやJホラーへのリスペクトも忘れていないところにも好感が持てます。
特に、クライマックスのモンスターが全員集合して殺戮の限りを尽くす阿鼻叫喚の地獄絵図は必見。モンスターが詰め込まれたエレベーターが開くたびに噴き出す大量の血糊はまるでコント。リズミカルに鳴り響くエレベーターのチャイムが耳から離れません。

更に、メタフィクションを匂わせるために【ファニー・ゲーム】からスクリーンに突然現れる赤文字のタイトルを引用したり、クトゥルフ神話を匂わせるために【エイリアン】でヒロインを演じたシガニー・ウィーヴァーのキャスティングしたり、気の利いた演出も秀逸。

ホラー映画におけるおっぱいの重要性について描いたという点でも稀有な本作。全てはベタな展開好きの古き者ども=観客である貴方のために…