人間が生まれてきたこの世には必ず最期の時がやってくる。
最期の時を迎えるにあたって正しい答えはない。ただ自分の考えを行動に移した事が一番自分のなかでの正解に近いのだろう。切なくも優しいラストに衝撃が走った。
老音楽家夫婦に突然訪れた妻アンヌの発作。検査の結果、病の存在が明らかになったアンヌだったが、手術の失敗により右半身に麻痺が残る。「病院には戻りたくない」という願いを受け、夫ジョルジュは自宅でアンヌと共に過ごすことを決めるのだが…
いたってペースは一定。急展開はなく老夫婦の介護のシーンが流れる。強いて言うならば、開いた窓から鳩が1羽入ってくる。また娘が時々、来る。といった所だ。
一見つまらなさそうに見えるこの作品だが映像が飽きさせない。ハネケ監督の素晴らしさ。
題名にもあるようにテーマは〝愛〟である。人それぞれ様々な愛の形で愛を育む。この作品の〝愛〟の重さを是非感じ取ってほしい。