「冒頭の海中シーンでの網」のカメラが素晴らしく、続いての「老いた漁師と少年フィリッポの漁をしている姿」から物語に入り込む映像の流れが見事。
しかし、舞台となっている島では漁師は減少しており、漁師だけでは食っていけないようだが、老いた漁師は漁業を止めることを頑なに拒否する姿勢。
そんな中、不法入国者と出くわし老漁師とフィリッポは、管制官へ通報するものの海に飛び込んだ者を助けてしまう。助けること自体が不法であることを知りながら…
そして、助けた不法入国者の母子の母親はすぐに赤ん坊(娘)を産み、フィリッポの家に匿われることとなる。これが、法を犯しながら、人道的な人間の姿、そして法を犯していることに苦悩する家族を描いているあたりは、「人間性を考えさせられる」。
フィリッポの家では夏のバカンス客に自分の家を貸すことにする。
貸した客は、フィリッポとほぼ同い年の女性1人と男2人。これら4人の交流も描かれるが、フィリッポと女性客が夜の海に出て行き麻薬などで解放感に浸っているところに、多数の不法入国者たちが舟に上がろうとするのをフィリッポは叩き落とす。これまた人間性を考えさせられる場面である。
…という物語が続く。