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海と大陸のtheocatsのレビュー・感想・評価

海と大陸(2011年製作の映画)
3.0
イタリアの小島。どうやら漁業と観光が主たる産業みたい。

お爺ちゃんと孫で漁業を営む一家。
ある日の漁の最中、不法難民の小舟を見つけ、そこから海に飛び込んだ難民を幾人か助け、妊婦とその子供を人道的観点からかくまうことになってしまう。
赤ちゃんは無事生まれたが、いつまでもかくまうことは不可能。
その親子はトリノに夫がいるとかで、島から抜け出しそこに行きたいと言う・・・
という物語で、そこに孫と同年代の女まじりの観光客との苦いお話や、家族縁戚者間のしがらみなども描かれる。


押し寄せる難民というヘビーな社会事象を描いていながら、演出傾向としてはそれほど深刻味はなく、こちらの胸に迫るとか感情的起伏も殆ど起こらない。
ラストの「強引な脱出行」はいささか無理筋という感じだし、あれではかすかな希望さえ見込めなさそうな雰囲気だったので、それ程うまい終わり方とも言い難い。

イタリア不法難民の一端を垣間見られたことに感謝
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