ああ、なるほど!これは好き嫌い分かれる作品ですね。鈴木清順の大正ロマン三部作に通じるような、ちゃんとした人が撮る「ヘタうま」「ヌーヴェルバーグ」の系譜というか。
2003年の僕は21才。前年の映画『ピンポン』や、その後の『映画男』のヒットで私の世代のある一定層が「市民権を得た!俺たちの時代だ!」なんて盛り上がってたわけですが、もちろん慎重に距離を取っていたわけです。イジワルなサブカルでごめん!でももうそのモード飽きちゃった。
そういうわけで、浅野忠信・オダギリジョー・窪塚洋介・ARATAや、ちょっと違うけど妻夫木聡に対しては、メイン寄りのサブカルチャーとして、雑誌CUTやクイックジャパンが扱っている事実「カルチャー民からの評価を評価」してるみたいな部分がありました。だからあんまり詳しくなくて、それも良くないな〜という反省も込めて見ました。
映像はどこを切り取ってもキレイなんだけど、シュールギャグ要素が浮いちゃってて、それを良しとするかどうかで評価がわかれると思う。シュールって、センスとインテリジェンスを必要とする難易度の高い表現だから。難しいですよね。
それで言うと「ヘタうま」を狙ってるんだけど上手すぎるかなーと。「ヘタうまうま」になっちゃってます。
よかったこと→浅野忠信のボソボソした演技のインパクトが新鮮でした!